中小企業、小規模事業者の取引や価格転嫁の適正化に向けた「価格交渉講習会」(伊勢新聞社主催、志摩市商工会共催、三重県商工会連合会後援)が19日、志摩市阿児町鵜方の市商工会館で開かれ、約30人が参加した。
同市商工会の出口勝美会長はあいさつで「原材料コストが高騰する中、コストを適正に価格に反映させるための交渉術を講師に話してもらう。まずは価格転嫁に関する考え方や意識をつけてもらいたい。そして実践に結び付けてもらうなど皆さまにとって実のある講習会になることを祈念する」と述べた。
中小企業診断士の津賀弘光氏が講師を務め、物価動向や下請法などの取引に関わる法律などを説明。下請けの中小企業などが取引先と価格交渉をする際の事前準備の大切さを説いた。
津賀氏は「『適切な利益を確保するために値上げを行うことは正しい』という認識を持つことが値上げ交渉を行う際は必要」と事例を交えて説明。また交渉にあたっては「取引先にとっての価値を包括的にとらえ、提供する価値を高めるといった価値提案型値上げへの転換が望まれる。交渉においては、なにより取引先との信頼関係が大切」と話した。