三重県知事、進退明言せず 任期満了まで1年切る

【定例記者会見に臨む一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事(61)は14日で就任から3年を迎え、任期満了(来年9月12日)まで1年を切った。10日の定例記者会見では進退への明言を避けるも、政界関係者の多くは「再選出馬は濃厚」と観測。多くの政党は引き続き一見知事を支援する見通しだが、一部は対抗馬の擁立を模索する。

「現時点において、私が定見を持っているわけではない」。残りの任期が1年に迫った10日の定例記者会見で、次期知事選への態度を問われた一見知事はそう語り、進退への明言を避けた。

「県民の皆さんがどう思われるかということもあると思う。後援会にも伺いながら決めるということになろうかと思う」とも。判断の時期については「今後、ご相談」と語った。

会見では、就任からの3年間を「県民の命を守り、県を発展させる取り組みを着実に実行してきた」などと総括。特に注力した分野として、子育て支援や防災、観光振興などを挙げた。

一方、自らが代表を務める政治団体は、これまでに5回の政治資金パーティーを開催。今年7月にも四日市市内で開き、約300人を集めた。来春には中南勢での開催を予定しているという。

このパーティーを根拠に、県議らの多くは「一見知事の再選出馬は、ほぼ確実」と見立てる。ある県幹部も「知事のやる気を見ている限りでは、再選出馬は間違いない」と観測する。

一見知事は前回知事選で、自民、公明、立民、国民の各党から推薦を受けて初当選。一見知事が再選出馬を表明すれば、自民をはじめ多くの党が再び一見知事を支援する可能性が高い。

県議会の最大会派「新政みえ」の幹部も「今のところ一見県政に大きな失態はなく、安定的に運営しているのでは」と評価。会派内にも独自候補の擁立を求める声は上がっていないと明かす。

これに対し、共産党県委員会の幹部は「一見知事を支持できる材料はない。リニア中央新幹線や官製婚活の推進は相いれない」と反発。同党も加わる市民団体を軸に対抗馬を擁立する構えだ。