鈴鹿市長「適切に開示を」 学校再編意見文書の黒塗り巡り

【「審査会の判断は妥当」と話す末松市長=鈴鹿市役所で】

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市の天栄中学校区再編計画の素案に対する住民らの意見を市教委が部分公開とした決定について、市情報公開審査会が8月26日付で「特定の個人を識別できる部分以外の部分は全て公開すべきである」と答申したことを受け、末松則子市長は12日の定例記者会見で「審査会の判断は妥当」との認識を示し、「教育長には答申に従って適切に開示するよう伝えてある」と述べた。

意見募集は同校区の在住者などを対象に実施し、45人が意見を提出した。

情報公開請求で開示された45人分の意見は、「筆跡から個人の特定につながる恐れがある」などとして、ほとんどが黒塗りの状態。一方、意見はホームページで公表している。

末松市長は「狭い地域の意見募集で、市教委は子どもたちのいじめや差別に配慮した判断と思うが、本来であれば最初から出しておけば誤解を生むこともなかった」と述べ、「方針決定するまでは市の政策として取り組みを進めてきた。以降は市教委が責任を持って進めているが、市教委のやり方には改善すべき点もある」と苦言を呈した。