地域の総意に当たらず 市民団体の住民アンケートで鈴鹿市 三重

【鈴鹿】三重県の鈴鹿市議会9月定例議会は9日、本会議を再開。市川哲夫(市民の声)、市川昇(同)の2議員が一般質問した。

この中で、市立天栄中学校区の小学校再編計画について、市民団体が実施した住民アンケート結果報告書を8月23日に市へ提出したことを受け、廣田隆延教育長は、アンケートの回収率から「『7割の人が計画に反対している』と結論づけるには無理がある」との考えを示し、「一部再編計画に反対する住民のみなさまのお気持ちを再認識させていただいた」と述べた。

その上で「令和8年4月の小学校3校の再編準備を丁寧に進めていく」と答弁した。

2段階での統廃合について、末松則子市長は「色々な意見があると思うが、しっかりと歩みを進めていく」と答弁。「意見交換をしっかりさせていただきながら、同じ目標に向かって進めていきたい」と述べた。いずれも市川哲夫議員の質問に答えた。

アンケートは①3小学校の統廃合と6年後の小中一貫校への統廃合に賛成②統廃合には賛成するが2段階の小学校設立には反対③統廃合に反対―の3択で実施。

対象学区3地区の全世帯3102世帯に配布し、7月22日―8月20日で実施。地域外の40人を含む計437人が回答した。

報告書では「2段階での再編に対し、7割の人が計画に反対している地域もある」と結果を考察し、市に計画再考を求めていた。

一方、市はアンケートの回収率を校区別に算出。天名小学校区は約10・8%、合川小学校区は約6・5%、郡山小学校区は約3・7%として、アンケート結果が地域の総意にはあたらないと判断。

そのほか「2段階に反対」という選択肢の回答が、「統廃合はやむを得ない」「統廃合に反対」の両方に集計されていることから、集計方法にも疑問を唱える。

市の再編計画は、児童数減少に伴い南部地域の合川、天名、郡山の3小学校を統合し、令和8年4月に「新たな学校」を開校。その後、令和14年度を目途に天栄中学校区に小中一貫の義務教育学校開校を目指す。

9月議会では関連条例の改正案を提出している。