避難指示発令後も中止せず 松阪高、修学旅行の説明会 保護者らにメールで謝罪 三重

三重県立松阪高(松阪市)が台風10号の大雨に伴う避難指示が出た多気町内で、保護者向けの修学旅行説明会を開いていたことが2日、同校への取材で分かった。同校は「混乱を招いた」として、生徒の保護者らに電子メールで謝罪。「今後は開催の可否を慎重に判断したい」としている。

同校によると、説明会は先月31日午後2時から、多気町民文化会館(同町相可)で開催。10月中旬に予定している高校2年生の修学旅行について、午後2時45分ごろまで保護者らに説明した。

一方、町内には前日からの大雨警報に加え、31日午後1時過ぎには洪水警報も発表された。説明会の開始と同じ時刻には町全域に避難指示も出たが、説明会は中断せず。会場となった施設は避難所だった。

説明会には約140人が参加を申し込んでいたが、実際の参加者は44人にとどまった。説明会の開催後、学校には保護者から「大雨の中で説明会を開いたのはどうなのか」といった意見が寄せられたという。

学校は大雨の中で多くの保護者が参加できなかったことなどを踏まえ、今月1日付で2年生の保護者ら全員に対して「おわびのメール」を送信した。後日、修学旅行の説明資料を送る予定を伝えたという。

同校の担当者は取材に「開催の可否を判断した31日の午前中は、それほど雨が降っていなかったため」などと説明。「混乱を招いたことは事実。対応を反省し、今後は慎重に判断したい」としている。

同校はPTAに委ねられる形で開催の可否を判断したといい、福永和伸県教育長は取材に「PTAとして判断したことと察するが、適切だったとは考えにくい。リスクマネジメントの観点から非常に遺憾」と話した。