EV購入で10万円補助へ 尾鷲市、脱炭素向け普及後押し 三重

【EV車購入費の助成を始める方針を明らかにした加藤市長=尾鷲市役所で】

【尾鷲】三重県尾鷲市の加藤千速市長は28日の定例記者会見で、電気自動車(EV)などの新車購入費の助成を始める方針を明らかにした。来月3日開会の市議会定例会に提出する一般会計補正予算案に事業費60万円を計上した。

市によると、脱炭素社会の実現に向けた環境対策の一環で、市内のEV普及を後押しする目的。県が市町のEV購入に関する補助事業の半額(最大5万円)を負担する補助制度を利用し、1台につき一律10万円を補助する。

対象は、EVや燃料電池自動車を新車で購入した市内在住の個人か法人。EVなど購入で国のCEV(クリーンエネルギー自動車)補助金の交付を受けていれば、市の補正予算案成立後、今年4月1日以降に登録された車をさかのぼって補助の対象とする。

市は10月1日から申請を受け付ける予定。市のホームページやチラシで周知を図る方針。市環境課の担当者は「街中でEVを見る機会はまだ少ない。事業は市民が脱炭素社会に意識を向けるきっかけになると思う」と話している。

県によると、EV購入に関する県の補助制度は令和5年度2月補正予算に事業費1980万円を計上していた。現在は四日市市と多気町の2市町が制度を活用しているという。検討に入った市町は、尾鷲市▽いなべ市▽紀北町▽度会町―の4市町。