民生委員の活動サポート 伊勢市が協力員制度開始、9人委嘱 三重

【鈴木市長(右)から委嘱状を受ける民生委員協力員ら=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県の伊勢市は、担い手不足で負担が増す民生委員・児童委員の活動をサポートする「民生委員協力員制度」を試行的に開始した。制度の試みは県内では初めて。民生委員の負担を軽減し活動しやすい環境を整え、担い手の確保につなげる。

協力員は、希望する民生委員1人につき、1人を配置できる。民生委員自らが候補者を選び、市民生委員児童委員協議会が推薦して市が委嘱する。地域の見守り活動や地域イベントへの参加など、民生委員の活動の一部を補佐。個人情報を扱う相談への対応はできない。市から活動手当として、月2千円が支給される。

市によると現在、市の民生委員は定数309人に対し277人で、欠員は32人。担い手の確保が難しくなる一方、少子高齢化で見守りが必要な高齢者は増えるなど、活動の負担は大きくなっている。制度は、今月から市内の3地区でスタートし、来年12月の本格実施を目指す。

市役所で5日、協力員9人の委嘱状交付式があり、鈴木健一市長が手渡した。鈴木市長は「民生委員は地域福祉の要となる。民生委員が安心して活動できる支えを構築したい」とあいさつした。

委嘱を受けた同市船江の福村清さん(87)は、民生委員経験者。「独居老人を訪ねて励ましたり、悩みを聞いたり、少しでも協力したい。協力員が民生委員の仕事を知ることで、委員の担い手が増えれば」と話していた。