多様なエネルギーの重要性訴え 作家・川口さん講演 ドイツの政策から学ぶ

【講演をする川口さん=津市羽所町のホテルグリーンパーク津で】

三重県内の経済団体などでつくる「21世紀のエネルギーを考える会・みえ」(小川謙会長)は29日、津市羽所町のホテルグリーンパーク津で「地区別講演会・津」を開き、ドイツ在住の作家・川口マーン惠美さんが「ドイツのエネルギー事情と日本のエネルギー政策」と題して講演した。会場とオンラインで計80人が参加した。

同会は脱炭素社会の実現を目指し、毎年県内3カ所で、エネルギーや環境問題をテーマに講演会を開いている。

川口さんは、風力や太陽光など再生可能エネルギーを主としたドイツのエネルギー政策の現状やドイツの取り組みから日本が学ぶべきことについて説明。

ドイツは近年風不足で風力発電が低調で、脱原発と脱石炭の政策をとっていたため、エネルギー需要がガスに集中。ウクライナ戦争開戦後、主な輸入先だったロシアからの制裁によりドイツへのガス供給が停止し、自ら選んだエネルギー政策が自らの首を絞める結果になってしまったと説明。

日本について「労働力は世界一。電気さえ安ければ、産業立地として最高の条件」と話し、日本の国力を高めるために再生可能エネルギーだけでなく、安価で安定的に電力を確保できる多様なエネルギーを用いる重要性を訴えた。