三重県教委は29日、小学6年と中学3年を対象に実施した本年度の全国学力・学習状況調査(全国学力テスト)の結果を発表した。前年度と同じく、中学の数学を除く3教科で全国平均を下回った。
県教委によると、調査は4月18日に国語と算数(数学)で実施。県内では341校の小学生1万4429人と、150校の中学生1万4651人が対象となった。
小学生の平均正答率は国語が67・1%(全国平均67・7%)、算数は62・3%(同63・4%)。両教科とも全国平均との差は2年ぶりに拡大し、4年連続で全国平均を下回った。
中学生の平均正答率では、数学が52・7%(全国平均52・5%)、国語は57%(同58・1%)だった。中学の国語は、調査が始まった平成19年度から全国平均を下回り続けている。
自己肯定感に関する質問では「自分には良いところがあると思う」と答えた割合が、小中とも前年度を上回った。「先生は良いところを認めてくれる」と答えた割合も上昇した。
一方、授業以外で平日に1時間以上勉強すると答えた小学生は前年度比3・4ポイント減の50・6%、中学生は1・7ポイント減の63・2%。小中とも全国平均を下回り、全国平均との差も拡大した。
県教委学力向上推進プロジェクトチームは「調査結果を分析し、市町の教育委員会や学校に授業の改善点を伝える。調査結果を踏まえて作成した教材の活用を図りたい」としている。
学習時間の減少については「特に大きな課題。学習時間と正答率に一定の相関があるとの分析結果も出ている。子どもたちに家庭での過ごし方をマネジメントしてもらいたい」としている。
一見勝之知事の話 子どもに寄り添う教員の姿勢が自己肯定感の高まりにつながっている。幸福感も高まっている。教育指導の改善や充実に期待している。県としても教育施策を推進する。
福永和伸教育長の話 授業以外の学習時間が昨年度より短くなった一方で、他者や集団、社会の役に立ちたいと思う気持ちが高い。授業の改善やきめ細かな指導、学習習慣の確立に向けて取り組む。