アフリカマナティー「かなた」死ぬ 鳥羽水族館、国内生存は「みらい」1頭に

【鳥羽水族館で飼育されていたアフリカマナティーの「かなた」(同館提供)】

【鳥羽】三重県鳥羽市の鳥羽水族館は27日、飼育していたアフリカマナティーの雄の「かなた」が、同日午前8時20分に死んでいるのが確認されたと発表した。国内では同館のみがアフリカマナティーを飼育展示しており、残っているのは雌の「みらい」1頭となった。

かなたは、平成8年にアフリカのギニアビサウ共和国から、雌の「はるか」とともに入館。同26年にはるかが死んだ後、みらい(同22年入館)と2頭で暮らしていた。

野生で生まれた個体で年齢は不明。今後は老衰の可能性を含め、解剖や病理検査などで死因の究明を行う予定。

飼育担当者は「国内では同種の展示は例がなく、マナティーを含めた海牛類の飼育について、重要な知見を我々に与えてくれたかなたに感謝したい」と話した。

アフリカマナティーは海牛目マナティー科に属する草食動物で、アフリカ西海岸の汽水域や河川、湖沼などに生息。国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで絶滅危惧種に指定されている。