▼夏は観光の季節。猛暑だというのに全国各地に外国人観光客があふれ、迷惑トラブルが続発している。いわゆるオーバーツーリズム問題だ。とくに中国などアジアからの観光客の傍若無人ぶりが目立つ。そこで思うのが「おもてなし」
▼例えばタイが「微笑みの国」というように、日本は「おもてなしの国」というイメージが出来上がっていて、なにをしても許される。日本には無償のサービス文化があると思われているという。ガイドは「日本のおもてなしは伝統文化です。無償です。チップは不要です」と説明する
▼しかし、それは本当か? おもてなしは日本の伝統文化なのか? 確かに「おもてなし」という言葉は昔からあったが、それは接客のこと。観光現場でのサービスではなかった。チップ不要といっても、昔は旅館で中居さんに心づけを渡していた
▼東京五輪招致で滝川クリステルさんが、おもてなしを「見返りを求めない」と言ってしまったのはまずかった。米国では飲食店でタブレットで注文してもチップがかかる。無償サービスは従業員のタダ働きで成り立っている。日本もチップを導入したらどうだろうか。