手足口病患者、過去最多 コロナ、溶連菌も感染拡大 三重県

【定例記者会見で、感染防止対策を呼びかける一見知事=県庁で】

一見勝之知事は19日の定例記者会見で、手足口病や劇症型溶血性レンサ球菌、新型コロナウイルスの感染が拡大しているとして、感染防止対策を徹底するよう三重県民に呼びかけた。

県によると、手足口病の患者は14日までの1週間で、1医療機関あたり平均33・69人。6週連続で警報レベル(5人)を上回り、平成11年の統計開始以降で過去最多となった。

手足口病は手のひらや足の裏、口の中に発疹ができるウイルス性の感染症。5歳以下の子どもを中心として、夏に流行する。ほとんどは数日で治るが、ごくまれに髄膜炎や脳炎を併発する。

今年に入って県に届け出のあった劇症型溶血性レンサ球菌感染症の患者は20人。既に昨年中の届け出(18人)を上回り、2年連続で過去最多を更新。うち少なくとも5人が死亡した。

劇症型溶血性レンサ球菌感染症は手足の激しい痛みや腫れなどがあり、手足の壊死や多臓器不全を引き起こす。致死率は約3割。傷口から菌が体内に入り込むなどして感染するという。

新型コロナの感染者数は県内でも再び増加傾向にある。1医療機関あたりの感染者数は、14日までの1週間で平均9・04人。一日あたりの感染者は約570人と推計される。

一見知事は共通する対策として、こまめな手洗いや定期的な換気を挙げた。劇症型溶血性レンサ球菌感染症は「命に関わる」と強調し、けがをした場合は傷口を清潔に保つよう呼びかけた。