学校図書充実へ651万円 伊藤製作所、四日市の71校に寄付 三重

【目録と感謝状を手にする(左から)森市長、伊藤会長、坂井次長=四日市市役所で】

【四日市】プレス部品加工などを手がける「伊藤製作所」(三重県四日市市広永町)の伊藤澄夫会長は5日、学校図書館の図書の充実のため、四日市市立小中学校59校と市内の県立高校・特別支援学校12校に651万円を寄付した。

令和6、7年度の2年間にわたり、小中学校には各校年間4万5千円(2年間で9万円、総額531万円)、高校・特別支援学校の各校には年間5万円(2年間で10万円、総額120万円)が贈られる。

四日市市役所で同日、市・県合同で寄贈式が開かれ、伊藤会長が森智広市長と県教委事務局の坂井哲次長に目録を手渡した。森市長と坂井次長から感謝状を受けた伊藤会長は「子どもの活字離れが進み、学校も予算が足りないと聞いて始めた寄付だが、新しい本が増えて子どもが喜んでいると聞き、続けようと思う」「10年前から毎年、商業や工業高校から当社へ入社してもらっており、お世話になっている高校にも贈ろうと考えた」とした上で「本を読んでいないと人間の味がないし、電子版が増えたが、電子版の本は味気ない。味わうのは紙で、情報の伝達は紙でないと。本を読んで味のある人間になってもらいたい」と語った。

森市長は「紙の本を読みたいという市民のニーズもある。人が集まってくる空間作りも必要で、数年後には新図書館もできる」、坂井次長は「高校生が年間で読む本は、令和元年度には1人平均3・9冊だったのが5年度には2・9冊と減っている。寄付はありがたい」と謝意を述べた。

同席した同市の廣瀬琢也教育長は「本市では電子図書館も導入したが、紙の本も買って、大事にしていかないといけないと思っている」と話していた。