伊賀市議監禁強盗、被告男に懲役9年求刑 津地裁裁判員裁判、7月2日判決 三重

釜井敏行伊賀市議(42)に暴行を加えて車に監禁し、現金を奪ったなどとして、強盗致傷や監禁などの罪に問われた住所不定、無職福田竜雅被告(21)の裁判員裁判が19日、三重県の津地裁(西前征志裁判長)であり、検察側は「終始犯行を主導した」などとして、懲役9年を求刑した。判決は来月2日に言い渡される。

検察側は論告で「無抵抗の被害者に何度も暴行を加え、長時間にわたって被害者を監禁するなど危険かつ執拗(しつよう)な犯行」と指摘。「犯行のきっかけは被告の提案で、暴行や脅迫を一貫して加え続けた」と述べた。

その上で「金銭への執着に基づいて被害者の生命や身体の安全を脅かした。同種犯罪で有罪判決を受けた約5カ月後の執行猶予期間中に犯行に及び、再犯の恐れが高い」と主張した。

弁護側は最終弁論で「強盗の提案は現実味がなく、被害者の想定外の抵抗による突発的な犯行。被告は首謀者ではなく、さしたる計画性もない」などとして懲役6年が相当であると主張した。

起訴状などによると、福田被告は昨年9月、知人3人と共謀。伊賀市内の路上に釜井市議を呼び出し、頭を殴るなどの暴行を加えて全治約2週間のけがを負わせ、乗用車に監禁し、キャッシュカードや現金計55万円を奪ったなどとされている。