2024年6月20日(木)

▼勘違いや思い込みは誰にでもある。大観子も冷や汗三斗は数知れず。開き直るわけではないが、令和4年度中の精神神経系疾患休職教員が前年度比で14人増の95人。直近5年で最多という県教委の県議会での発表を聞いて、水増しならぬ過少申告ではないかと思ったのはまことに失礼なことだった

▼精神神経系疾患休職教員の多さは人権関係団体の会合などで県教職員組合役員などから時折指摘されていた。もう10年以上前だと“記憶”するが、相当の数で、少なくとも70人は超えていた気がする。当時は教員採用試験は狭き門で、不合格者は翌年の採用試験に有利になるという空手形で、臨時教員に登録したが、実現しないまま年を重ね、その深刻さも合わせて問題になっていた

▼名張市で公立学校校長が年に2人、うつ病が原因とみられる症状で自殺したことがある。市議会で経緯が問われたが、当時の教育長は県教委からの情報として、年に数人の教員の自殺があるらしいと答弁していた。県教委に問い合わせると、そのようなことは一切調べていないということだった

▼うつ症状のきっかけは学校行事の運営に伴う教員の不満への対応で、残業手当のある行政職員と、ない教職員が学校現場で混在する矛盾が噴出していた。3カ月の治療の診断が出たが、市教委はキャリアを考えると1カ月と示唆した

▼県教委は、休職者の増加は長時間勤務も原因にあげたが、地域や保護者への対応の苦慮。代理教員の「不足」を問題にあげた。放置してきた問題が噴出してきたようだ。