福永和伸三重県教育長は4日の定例記者会見で、教員や保護者らを対象とした学校問題に関する相談窓口を、3日付で県教委事務局に設置したと発表した。相談への対応に追われる教員の負担軽減などが目的。東海3県では初の設置となる。
県教委によると、いじめなどを巡って学校と保護者の主張が食い違うケースや保護者間のトラブル、近隣住民からの苦情などに対応する想定。県立高や公立中の元校長らが相談に応じる。
県教委の教育行政相談窓口でも教員や保護者などからの相談に対応してきたが、学校だけでは解決が難しい事案に特化する形で窓口を新設。文部科学省のモデル事業として採択された。
事業費は約500万円。県が本年度の一般会計当初予算に計上していた。全額を国からの委託費で賄う。同様の窓口は三重など8都府県、鈴鹿市や四日市市などの9市区町村が本年度に開設する。
県教委の教育行政相談窓口には昨年度、教員や保護者、県民から計377件の相談が寄せられた。学校の活動や教員の言動に関する苦情や要望が多くを占めているという。
福永教育長は「肌感覚だが、学校だけでは解決が難しい事案が増えている」と説明。「必要に応じて専門家の力を借りながら助言する。気軽に相談してもらえる窓口にしたい」と述べた。
窓口の開設は平日の午前8時半―正午までと、午後1時―同5時15分まで。相談は電話=059(224)2806=のほか、来所や文書、ファクス、電子メールでも受け付ける。