三重県は29日、住宅の耐震補強に対する補助を拡充するための費用などとして、約29億5569万円を追加する一般会計補正予算案を発表した。6月3日の本会議に提出する。
県によると、能登半島地震の課題を踏まえた南海トラフ地震の対策費として、1億859万円を計上。例年は2千件程度という耐震強度の無料診断を、6割増の3200件に増やす。
耐震補強工事の設計では、県と市町の補助を、それぞれ最大3分の1から最大2分の1に拡充。住宅の内部構造を詳細に確認する「精密診断法」を用いた設計への補助は上限も引き上げる。
耐震補強工事でも、補助率や補助の上限を引き上げる。耐震強度を満たしていない木造住宅を対象に、寝室などを強固にする「耐震シェルター」の設置費に対する補助も新設する。
また、三重など複数の県が共同で10月にフランスで実施するプロモーションの出展費に2075万円を計上。食品見本市に県のブースを設けるほか、観光誘客も図ることを想定している。
残りの28億2633万円は、新型コロナウイルス感染症に関する地方創生臨時交付金の清算分。令和4年度以降に概算で受け取った交付金のうち、支出しなかった分を国に返還する。