クマ出没最多40件 昨年度 県が注意喚起 本年度も既に8件

【定例記者会見で、クマの出没に注意を呼びかける一見知事=県庁で】

一見勝之三重県知事は29日の定例記者会見で、昨年度中に県内で確認されたクマの出没件数が、調査を始めた平成18年度以降で最多となったことを明らかにし、県民に注意を呼びかけた。

県によると、昨年度中に市町などを通じて寄せられたクマの目撃情報や痕跡の発見といった「出没」は40件。本年度も既に8件の出没があり、昨年同期(1件)を大幅に上回っている。

一見知事は会見で、鈴などで自分の存在を知らせる▽クマに出会った場合は目を合わせたままゆっくり後退する▽生ごみや農作物などを家の周辺に置かない―などの対策を紹介した。

出没が増えた理由について「木の実が少なく、里の近くに下りてきているとの推測はある。イノシシが増えてクマが追いやられているという話もあるが、明確には分からない」と語った。

県は6月7日、関係部局の幹部らでつくる鳥獣害被害対策連携会議を開き、出没への対応策について検討する予定。近くクマへの注意を呼びかける文章などをホームページに掲載する。