【四日市】三重県四日市市河原田町の四日市農芸高校の生徒が栽培した酒米「五百万石」を使って、津市の寒紅梅酒造が醸造した日本酒「純米吟醸 夜明け」が22日、名古屋市のジェイアール名古屋タカシマヤで始まった「日本の酒蔵展」に出品された。同展は27日まで。25、26日は会場で、生徒たちが自慢の日本酒を販売する。
食料生産コースの9人が農業分野の実習として取り組んだ。昨年、学校近くの田んぼで酒米を栽培し、酒造りの工程にも携わり、寒紅梅酒造で洗米やこうじ造りに励んだ。酒蔵展の会場へは、担当の教諭らとともに9人のうち4人が出向いて、PR活動や接客にあたる。
19日に近鉄四日市駅前商店街で開催された「三重の大酒蔵市」。県内各地の地酒が味わえるこのイベントで「純米吟醸 夜明け」が提供され、「フルーティーで飲みやすい」と好評だった。まだお酒は飲めないが、3年の日紫喜幸太さん(17)は「自分にとっては〝青春の味〟になるのかな。20歳になったら、みんなで高校時代の思い出話をしながら飲みたい」と話す。
同校が寒紅梅酒造と日本酒を造るようになったのは5年前からで、今回ラベルを一新した。校内コンペで応募作約30点の中から、日紫喜さんが手がけたラベルデザインに決まった。「夜明け」という名には、「コロナ禍で制限された世の中に夜明けが訪れ、これからの未来は明るくなる」。そんな思いが込められている。
会場では、720ミリリットル入り2200円(税込み)で販売し、このほかにも同社と造った梅酒(容量、料金とも同)も販売しているという。