羽毛布団を防災寝袋に 伊勢の老舗布団店

【使わなくなった羽毛布団を活用した防災用寝袋を紹介する平松さん=伊勢市宮町の眠り屋ヒラマツで】

【伊勢】「羽毛布団から、防災用寝袋を作りませんか」―。伊勢市宮町の老舗布団店「眠り屋ヒラマツ」が、家庭で使わなくなった羽毛布団を、災害時の備えとして、寝袋にリフォームするサービスを始めている。

能登半島地震など自然災害が頻発する中、同店の4代目平松隆太さん(60)が、防災対策と羽毛をリサイクルする環境配慮の観点から提案するサービス。「災害時、避難所の寝具は毛布程度。羽毛寝袋なら軽く暖かで、小さく折り畳むこともでき、有事の備えになる」と考えた。

使わなくなった羽毛布団を解体し、専門業者で羽毛を洗浄。きれいになった羽毛を、同店の羽毛充填(じゅうてん)機でナイロン製の寝袋の生地に入れ込んで仕立てる。シングルサイズの布団なら、2、3枚の寝袋に作り替えることができる。1枚3万8280円(税込み)。2枚目からは2万7280円になる。

寝袋は、広げた大きさが縦210センチ、横150センチ。3辺に付いているファスナーを閉じれば寝袋になり、広げれば、膝掛けや簡単な掛け布団などとして使える。専用の収納袋に入れれば、持ち運びしやすい大きさに。キャンプなどアウトドア用として使ってもいい。

同店では30年以上前から、羽毛を再利用する取り組みを続けている。平松さんは「日常でも使えて、有事にすぐ持ち出せる。羽毛は限られた資源なので、リサイクルすることで持続可能な取り組みにもつながる」と話している。

問い合わせは同店=電話0596(23)3591=へ。