三重県は1日、断水時でも使用できる「災害時用マンホールトイレ」の完成式を県庁(津市広明町)で開いた。当初は4月中に開く予定だったが、強風の影響で設営できずに延期。当時の反省から、土のうを設けるなどの対策を講じた。
県によると、トイレは公用車の駐車場に設置。深さ1・3メートルの貯留槽を埋め込み、災害時は16基のテントと便器を設ける。1回のくみ取りで1000人が交代で10日間連続で使用できる。
地震などで断水や停電が発生し、県庁のトイレが使用できない事態を想定した対応。昨年度の一般会計当初予算で約3160万円の事業費を計上し、昨年10月から工事を進めていた。
県は先月9日に式を開く予定だったが、当日は「想定外」(県職員)の強風でテントを設営できず、急きょ延期を決定。1日はテントの四隅に土のうを置くなどの対策を取って披露した。
一方、風速10メートルに達した場合は土のうを置いてもテントが設営できない可能性があるため、使用を見送る。その場合は、県庁内のトイレで簡易トイレを使うなどして対応するという。
この日の完成式で、一見勝之知事は「ようやく職員が庁舎に詰めて働ける環境が整った」とあいさつ。強風の影響で式を延期したことには「対策を考える機会になった」と語った。