地域経済の活性化に向け、三重県内の15団体が25日、取引や価格転嫁の適正化を促す宣言を採択した。県内では初の取り組み。各団体は宣言に基づき、相談対応や情報提供を通じて中小企業などを支援する。
県によると、中小事業者の生産性向上や賃上げにつなげることを目的に宣言。各団体が連携し、原材料費やエネルギー価格の上昇分を適正に価格転嫁できる機運を醸成すると定めた。
宣言したのは、県商工会議所連合会や県中小企業団体中央会、県経営者協会といった経済団体や連合三重など。県産業支援センターなどの支援機関や中部経済産業局などの行政機関も含む。
各団体は価格転嫁や取引に関する企業への調査▽支援策の発信▽相談対応―などに当たる。発注者側が中小事業者との共存共栄を目指す「パートナーシップ構築宣言」の周知にも努める。
連合三重が昨年、県に取引や価格転嫁の適正化に向けた支援を要望したことがきっかけ。県が関係機関に呼びかけて賛同を得た。同様の宣言や協定は既に31道県で交わされている。
この日、県庁で宣言式があり、各団体の代表が宣言書に署名した。一見勝之知事は「下請けに寄っているしわを伸ばさなければ、経済は発展しない。オール三重で取り組みたい」と述べた。
県商工会議所連合会の伊藤歳恭会長は「一丸となって取り組み、生産性の向上や賃上げにつなげる」とあいさつ。連合三重の番条喜芳会長は「実効性のある取り組みを進めたい」と語った。