東海財務局津財務事務所は22日、2―4月の県内経済情勢を発表した。消費や生産、雇用のいずれも改善傾向にあることを踏まえて「持ち直している」との総括判断を据え置いた。
個人消費は「持ち直している」との判断を2期連続で据え置いた。消費者の節約志向が高まる一方で、観光事業者からは「大口の団体客が戻り、インバウンドも増えている」との声がある。
生産活動でも「一部に弱い動きがみられるものの、緩やかに持ち直している」との判断を据え置いた。半導体集積回路の生産は増えているが、液晶パネルの需要は回復していないという。
雇用情勢は「改善に向けた動きが続いている」との判断を9期連続で据え置いた。有効求人倍率がおおむね横ばいで推移していることなどを踏まえた判断。企業の人手不足感が高まっている。
事務所は2月に発表した昨年11月―今年1月の県内経済情勢で、総括判断を6期ぶりに上方修正。「緩やかに持ち直している」から「持ち直している」に引き上げていた。
米倉洋成所長は22日の記者会見で「先行きは景気の持ち直しが期待されるが、世界的な金融引き締めや中国経済の先行き懸念がリスク。物価上昇の影響に注意する必要もある」と述べた。