白菊を献花して追悼 津・陸軍墓地公園でシベリア抑留関係者三重県慰霊祭

【慰霊碑前の祭壇に献花する参列者=津市久居野村町の陸軍墓地公園で】

【津】全国強制抑留者協会三重県支部は21日、津市久居野村町の陸軍墓地公園内のシベリア抑留死没者慰霊之碑「平和の礎」前で、令和六年度「シベリア抑留関係者三重県慰霊祭」を開いた。雨の中、抑留体験者や遺族ら40人が参列し、献花と黙とうで犠牲者を追悼した。

第二次世界大戦終戦後、在満日本軍人、開拓団・義勇軍、看護婦など約60万人が旧ソ連軍によってシベリア各地に強制拉致され、そのうち6万人余の尊い命が極寒の地で飢餓と重労働、疫病などによって奪われた。

慰霊祭は、平成18年に同地に慰霊碑が建立されて以来、毎年開かれており、今回が19回目。抑留体験者でこのほど同協会県支部長に就任した野原國雄さん(99)は出席を見合わせた。代わって、金子堅二副支部長(74)が「各地の慰霊祭がなくなる中、三重県支部は皆様のご尽力のおかげで継続できて感謝です。戦争の悲惨さと平和の尊さを学校授業に取り入れ、正しく後世に伝えていきたいと願っています」と式辞を述べた。

一般財団法人全国強制抑留者協会の山田秀三会長から寄せられた追悼の詞が読み上げられた。サクソフォン奏者の一尾郁美さんの伴奏に合わせ、参列者全員で「異国の丘」などを合唱し、祭壇に白菊を献花した。