【鳥羽】伊勢志摩国立公園の指定80周年に向けた記念講演会が10日、三重県鳥羽市の鳥羽市民体育館で開かれた。一見勝之知事や三井不動産ホテルマネジメントの雀部(ささべ)優社長らが伊勢志摩の観光をテーマに講演し、地域の事業者など約350人が参加した。
伊勢、鳥羽、志摩市と南伊勢町にまたがる伊勢志摩国立公園は、1946(昭和21)年に、戦後初の国立公園として指定。2年後の指定80年に向け、官民でつくる伊勢志摩国立公園協会が講演会を企画した。
一見知事は、県の観光の取り組みについて講演。「国立公園は保護から利用に変わってきた。観光に生かさない手はない。周遊、体験、インフラ整備をキーワードに三重の観光を伸ばしていく」と語った。
かつて鳥羽国際ホテルやNEMU RESORTの再生・運営に従事した雀部社長は、「観光・勝ち組」に向けた「王道」と「近道」と題し講演。購買力があり、長期滞在するインバウンドが観光業界に大きな影響を与えるとして「三重はインバウンドの回復が遅れているが、その分、伸びしろが大きい」「伊勢神宮にフォーカスし、訪日旅行者に、日本に行くなら神宮に行くべきという定説を植え付けることが重要」と話した。地域の強みをいかした海外へのPR、外国人向け宿泊予約サイトの活用など、インバウンド誘客の施策も紹介した。
そのほか、伊勢、鳥羽、志摩市の各市長と南伊勢町長は、地域の取り組み事例や公園の魅力、課題などについて語り合った。