「三井高利創業物語」を配布 松阪市、市内全小中学校に 三重

【「三井高利創業物語」を児童生徒に渡す竹上市長(左)=松阪市役所で】

【松阪】三重県の竹上真人松阪市長は12日、同市役所で幸小学校と殿町中学校の児童生徒代表4人に文庫本「三井高利創業物語」を各校20冊贈呈した。市内全ての小中学校へ1校当たり5―40冊、計620冊を配る。

同書は旧三井銀行OBでつくる三井高利顕彰有志会が令和2年、創業者三井高利(1622―94年)の生誕400年を記念して刊行した。高利の生涯と功績をまとめている。「節約する方が、10倍の額を稼ぐより確かである」「あまり経費の節約ばかりしていては大きな商売はできない」など高利の言行録や家訓も載せている。

元三井住友銀行役員が松阪市役所を訪れた際に竹上市長に贈った。竹上市長は「読みやすく、わかりやすいという点で、大変優れた書籍」と感心。若い世代をはじめ多くの市民に読んでもらおうと同市が2千部を再版し、市内の小中学校の他、図書館や市民センター、公民館に配布する。

贈呈式で竹上市長は三井高利が52歳で呉服店を開店し、亡くなる73歳までの20年間で大商人になった生涯を振り返り、「ドラマチック。松阪にこんな偉い人がいたんだと知り、世界に羽ばたいてほしい」と呼びかけた。

幸小学校の小西望月さんは「三井家発祥地に行ったことがある。もっと知りたい」と喜びを伝えた。