▼「子どもがインターネットを利用するのがもはや当たり前の世の中」と、石垣智矢県議が県議会一般質問で。SNS(交流サイト)で子どもらが「闇バイト」など犯罪に使われる事案も多発しているとして社会総がかりでネット犯罪から守る取り組みが必要だと訴えた
▼これに対し、高校生対象のアンケート調査をもとに答弁したのが難波正樹県警本部長というのは時世時節である。携帯電話が普及し始めたころから、子どもが犯罪に巻き込まれることが問題だった。そのころネット犯罪から守る活動をしていたのは教育委員会であり、行政だった
▼学校への携帯の持ち込みを禁止したり、インターネット上の犯罪や有害な情報にアクセスできないフィルタリングソフトの導入を保護者に呼びかけたが、効果は限定的だった
▼犯罪の形も、女の子が狙われたり、法外な課金を請求されたりで、教師が警察との連携を模索したが、警察が事件前に積極的に関わることは少なかった
▼難波本部長は「分かりやすい広報など、少年を被害者にも加害者にもさせない対策を進める」。いまやネット上の闇バイト募集は警察の重点課題となってきたということだが、県教委には答弁の出番はなかったか
▼携帯電話、あるいはネット教育はもともと教育界が取り組んできたテーマである。いかに警察に理解者を増やすかは教師らの課題でもあった。ようやく当事者意識が共有されてきた感があるが、中傷や偽情報などネットの闇は一層拡散、深刻化している
▼県教委が主役の座を譲らぬことを願いたい。