三重県は19日の県議会本会議で、一般会計の総額を8050億8600万円とする令和6年度当初予算など、60議案を提出した。うち当初予算などの57議案は来月22日に採決される。
提出議案には、県内初の夜間中学「みえ四葉ヶ咲中学校」や、紀南、木本の両県立高を統合した「熊野青藍高校」を新設する議案も含まれる。議決されれば、両校とも来年4月に開校する。
波切漁港で小魚が大量死した問題に対応する費用を含む約2億円の一般会計補正予算は、先議を求める県の意向を踏まえて20日に採決する。他の補正予算など2議案は29日に採決する。
一見勝之知事は提案説明で、来年度の県政運営について「各施策を着実に進め、県民に成果を実感いただく年となる。決してとどまることなく、明日の県のための県政を展開する」と述べた。
「県で県民の信頼を損なう不祥事が発生し、国政で政治不信を招くような事態が生じている」と述べた。県職員が逮捕された贈収賄事件や自民党の裏金問題を念頭に置いた発言とみられる。
その上で「まさに信無くば立たずであり、県民や将来の三重に必要と考える取り組みをしっかり積み重ねていくことで、県民から信頼される県政を取り戻すように努めていく」と語った。
このほか、能登半島地震の経験や課題を踏まえて「南海トラフ地震の対応を強力に進める必要がある」と強調。住宅の耐震補強に対する補助額を引き上げるよう、国に要望する考えを示した。