ペタライト入手へ支援 三重県、調達ルート確保目指す 令和6年度予算案

【四日市萬古焼(県提供)】

四日市萬古焼の土鍋に使われるペタライトの入手が困難になっていることを受け、三重県は調達ルートの確保を支援する事業に乗り出す。令和6年度の一般会計当初予算に1千万円を計上した。

ペタライトは土に混ぜると耐熱性が高まる。萬古焼の生産者らは昭和30年代ごろから土鍋の原材料に使ってきたが、リチウムイオン電池にも使われるため、近年は価格が高騰している。

さらに、萬古焼の生産者らが頼ってきたジンバブエの鉱山が中国企業に買収されたことで、おととし2月に国内への輸出が止まった。現在も輸出再開のめどは立っていないという。

県は昨年10月、萬古陶磁器工業協同組合からペタライトの確保に対する支援の要望を受けた。一見勝之知事は同月中に経産省を訪れ、調達ルートの確保などに対する支援を求めていた。

県は来年度、生産者がペタライトの産出国で調査をしたり、入手したペタライトが原材料になり得るかを検証する費用などを補助する。一事業者につき100万円を上限に補助する想定という。

県産品振興課の担当者は「萬古焼は長年にわたって県内で育まれてきた重要な伝統産業。これからも守っていなければならない。営みが継続するよう、支援に努めたい」と話している。