【鈴鹿】三重県の鈴鹿市は14日、744億７千万円の令和６年度一般会計当初予算案を発表した。市長選に伴う骨格的予算だった前年度の当初予算より７・６％増加し、５年連続で過去最大を更新した。
同日の臨時記者会見で、末松則子市長は「『＃最高に住みやすいまち鈴鹿』へのスタート予算」と命名し、「自然、歴史、文化など今ある市の魅力を守り、生かしながら、より高みを目指し、ＤＸの推進などこれからの時代に合ったものを取り入れ、明るい未来を切り開くという思いを込めた」と話した。21日の同市議会２月定例議会に上程する。
歳入のうち、全体の39％を占める市税は法人市民税で増収を見込む一方、個人市民税と固定資産税で減収を見込み、全体で２・１％減の290億3162万９千円を計上する。
繰入金として財政調整基金から31億１千万円、地方債の発行額を抑制するため地方債減債基金から４億円をそれぞれ計上。令和６年度末の各基金の残高見込みの合計額は54億2389万２千円。
市債の借入額は、31億6370万円で前年度比５・１％の減少。令和６年度末の借入残高は約455億3300万円を見込む。
ふるさと納税の「すずか応援寄付金」は、４億6266万３千円を50事業で活用する。
歳出のうち、義務的経費は人事院勧告に伴う人件費の増加や児童手当や子どものための教育、子育て給付事業などの増加により、全体では６・６％増の390億6263万２千円。
投資的経費は文化会館施設整備費が減少したものの、地方道路整備事業費やクリーンセンター施設整備費などが増加しており、全体では２・３％増の69億2274万５千円。
新規事業は、鼓ケ浦サンスポーツランド内にスケートボードなどのアーバンスポーツを中心とした多目的スポーツ施設整備に5500万円▽将来的な胃の病気の発症予防のため中学生を対象にしたピロリ菌検査の実施に538万２千円▽高齢者や障害者など避難行動要支援者の個別避難計画策定に向けた避難経路の個別選定に770万円―など18事業。
そのほか、令和７年度から子ども医療費助成の対象を18歳まで拡大するためのシステム改修費などに800万円▽し尿汚泥処理施設クリーンセンター改築のための設計、建設に３億8757万２千円▽児童の熱中症予防と避難所の環境改善で小学校17校の体育館に低コスト送風型エアコン設置に4213万３千円―などを計上する。
特別会計などを含む市の会計全体の予算総額は前年度当初比５・０％増の1170億5558万５千円で、こちらも過去最高額となった。
末松市長は「４月から新総合計画がスタートする。次世代の子どもの育成にしっかりと予算を配分した。またＤＸの手法をいかに取り入れていくかを市の課題としてできる限り予算配分した」と話した。