炭材で描いた手やネコ 画家白井さん、四日市で個展 三重

【作品を紹介する白井さん=四日市市新町のアートギャラリー「黒い森」で】

【四日市】三重県四日市市ときわの画家、白井真澄さんによる個展「鉛筆のちから」が10日、同市新町のアートギャラリー「黒い森」で始まった。炭材(デッサン用描画材)を使った作品を中心に約50点を展示している。3月31日まで。月曜日は休み。

握り合う高齢夫婦の手と手「あ・り・が・と・う」や、オートバイにまたがるネコやローソクをともすネコ、鉢の中のキンギョを見つめるネコ、寝転がるネコなど、さまざまな姿態のネコや、ユーモラスな表情のイヌ、ゴリラなど、毛の一本一本まで繊細に描いたモノクロとパステル彩色作品が並ぶ。

また、オレンジ色の濃淡に染まる空と荒れる海の波を描いた「波濤」や月明かりに浮かぶしだれ桜「幽幻」の油彩画2点も展示している。

長崎出身の白井さんは、大阪や東京での会社員時代に独学で絵画を学び、油彩画からモノクロ画に移行した。鉛筆では表現できない漆黒を描ける炭材を使った独自の画法を見いだし、画業に専念するようになった。「タイトルは『鉛筆のちから』だが、鉛筆とは似て非なる炭材の作品です。見ていただき、何か伝わるものがあればうれしい」と話していた。