【伊勢】三重県伊勢市の中島小学校で6日、能楽体験の出前授業が開かれ、児童らが、重要無形文化財総合指定保持者で能楽師の大倉正之助さん(68)から、能の文化や鼓の打ち方などを教わり、伝統芸能に触れた。
大倉さんら能楽師約70人が伊勢神宮内宮に能楽を奉納する「飛天双〇能(ひてんふたわのう)」公演に合わせ、子どもたちに伝統文化に親しんでもらおうと、一般財団法人「令和文化蔵」(京都市)が授業を企画。大倉さんをはじめ能楽師約15人が来校し、6年生40人が参加した。
授業で大倉さんは、能の文化や、能で使う太鼓や鼓の楽器、舞などを実演を交えて紹介。続いて、児童が小鼓と大鼓に挑戦した。児童らは、能楽師から演奏する時の心構えや姿勢、楽器の持ち方、打ち方を教わり、「はあ」「よお」と声をかけながら稽古。また、「謡」の声の出し方や独特な節回しも教わり、最後に、楽器と謡、舞を合わせ練習の成果を披露した。大倉さんは「日本の伝統文化には、昔から伝わる知恵が込められている。伝統文化に親しんでほしい」と呼びかけた。
初めて能を体験した西井結菜さん(12)は「古来の文化を知ることができて良かった。小鼓はすぐ音が出たけど、大鼓は難しかった。実際の能楽を観てみたい」と話していた。