ハチ公の飼い主で農学博士、上野氏を紹介 松阪「東畑精一を学ぶ会」講演会で久居城下案内人の会 三重

【上野英三郎博士の紙芝居を上演する会員(左端)=松阪市嬉野下之庄町の豊地公民館で】

【松阪】三重県松阪市出身の農業経済学者、東畑精一(明治32年―昭和58年)を顕彰する市民グループ「東畑精一を学ぶ会」(境克敏代表、会員27人)はこのほど、松阪市嬉野下之庄町の豊地公民館で講演会を開いた。津市久居地域のボランティアガイド団体「久居城下案内人の会」(森下隆史代表、14人)が「上野英三郎博士の功績」と題し、忠犬ハチ公の飼い主で津市出身の農学博士、上野英三郎(明治4年―大正14年)の紙芝居を上演し、約40人が来場した。

東畑は旧一志郡豊地村(現松阪市)出身。東京帝国大(現東大)農学部進学時に当時同大教授で旧一志郡本村(現津市)出身の上野が身元保証人を引き受けた縁がある。

紙芝居では農地や水路を整備し農業土木の礎を築いた上野の功績を紹介すると共に、愛犬ハチが上野の急逝後も渋谷駅で9年半に渡り待ち続けた「忠犬ハチ公」の逸話を披露した。

境代表(76)=松阪市嬉野下之庄町=は東畑が東大在学中、年に2回は上野を訪問し勉学の報告をしていた記述があるとして「上野博士とは5、6年しか重なっていない。長命でおられたらどれだけ関係が深まったか」と惜しんだ。