心肺停止のマラソン男性救助 伊勢でレース中、三重大病院・賀来医師に感謝状 三重

【鈴木市長(右)と野口さん(左)から感謝を受けた賀来さん=伊勢市役所で】

【伊勢】三重県伊勢市で昨年12月に開催された「お伊勢さんマラソン」で、レース中に心肺停止状態となった男性を救助したとして、市などでつくる大会実行委員会は1日、ランナーとして参加していた三重大病院の医師賀来隆治さん(52)=津市=に感謝状を贈った。

ハーフマラソンに参加していた賀来さんは、ゴール手前数百メートル付近で倒れている自営業森廣文さん(64)=香川県綾川町=に気付いた。賀来さんは、森さんに意識がなく、脈と呼吸がないことを確認すると、周囲に自動体外式除細動器(AED)を持ってくるよう指示し、心臓マッサージを続けた。措置により心拍再開を確認して救護隊に引き継ぎ、森さんは一命をとりとめた。

市役所で贈呈式があり、大会名誉会長の鈴木健一市長が賀来さんに感謝状を手渡した。大会長を務めた同市出身でアテネ五輪金メダリストの野口みずきさんも駆けつけ「迅速な救護で助かった。レース中は何が起こるか分からない。伊勢の神様が見守ってくれてたのかな」と感謝した。元気になった森さんも同席し、感謝を伝えた。

賀来さんは「医師として当然のことをしただけ。森さんがとてもお元気になられていて、本当によかった」と話した。