2024年2月3日(土)

▼ウクライナ戦争、イスラエル・ハマス戦争で思うのは、ドローンが戦争のかたちを変えたゲームチェンジャーだということ。ウクライナ戦争が膠着(こうちゃく)しているのも、双方が無人のドローンで偵察、監視、攻撃を行っているからだ

▼ところが、自衛隊はつい先ごろまでドローンを軽視していた。自衛隊にはドローン部隊も、それを駆使する情報システムもなかった。もっぱら災害時の情報収集用で、武器としての使用は考えていなかった。ドローンは飛ぶだけではない、ミニ戦車として陸上を走るもの、潜水や水上走行で敵を攻撃するものまである

▼自衛隊が変わったのは一昨年の「安保三文書」の制定と防衛費の増強。この文書に「無人アセット防衛能力の強化」(つまりドローン)が初めて明言された。しかし、まだ輸入ドローンの試験導入に過ぎず、配備は先の先。運用人材も育っていない。台湾有事、南西諸島防衛有事が起これば、ドローン戦争になる。敵は飽和攻撃を仕掛けてくる

▼中期防を一度決めたら5年間変えないなどあり得ない。日本には技術がある。民間・軍事の双方でもっとドローンを活用すべきだ。