【鈴鹿】三重県鈴鹿市白子町の日本画家、天野澄子さん(82)は29日、令和2年の「第7回日本美術展覧会(日展)」で、特選に選ばれた日本画作品「暮れゆく」1点を市教委に寄贈した。
日展会友の天野さんは、長年日本画家・木村光宏氏に師事し、創作活動に励んでいる。
寄贈作品は一辺180センチの大作で、いなべ市内の山道の風景を描いた。雨上がりの山道で、地面にできた水たまりに映る夕焼けと水を飲む1匹の犬の姿を通じて、さみしさや憂いなどの寂寥感(せきりょうかん)を表現した。完成するまで何度も現地に通い、約2カ月かけて仕上げたという。
同日、同市役所で寄贈式があった。天野さんは廣田隆延教育長に目録を手渡し「飾ってもらえてうれしい」と喜んだ。
目録を受け取った廣田教育長は天野さんに感謝状を贈呈し「日展の日本画の特選は県内初ということで、大切に末永く飾っていく」と謝辞を述べた。
寄贈された絵画は同市役所教育委員会室に展示。希望があれば一般来庁者も観覧できる。