▼三重県庁は人事の季節。予算編成は18日から知事ヒアリングが開始されるなど華々しく報じられたが、その陰で新年度の県庁を引っ張るもう一つの柱、人事の聞き取りが静かに、本格的に動き出したということである
▼廣田恵子副知事の退任が予想され、その後任人事が今回の焦点らしい。東京事務所長、雇用経済部長、教育長と、廣田副知事は“女性初”の先頭を走って副知事へ。そうした「女性登用」の人材育成策は打ち切りか。それとも、特別育成しなくても育ってきているということか。多士済々の後任が予想されている中で、女性の名が一人も上がっていないのはさびしい
▼幹部級の人事予測でも、女性は2人。1人は「女性登用枠」として、1人は次長からの昇進候補として―。予測は当たるも八卦、当たらぬも八卦で、特に県庁のように総合職が多い場合はどのポストでも当てはまるからトップの胸三寸で決まるケースが少なくないが、それにしても、この時期騒がしくなる人事スズメの口に女性がのぼらないということだろう。人材が育っていないということにならぬか。女性幹部が必ず登場した近年の流れが途絶えなければ幸い
▼総務部の二本柱、人事と財政畑で部長争奪戦があるらしい。かつては部長を財務省から招いていたので財務を担当し、次長が人事を統括していた。生え抜きになっても慣行は守られていたようだが、部長が副知事に昇格する慣例が破れた途端、県は深刻な財政危機に陥った
▼副知事候補を絶やしたくないという財政畑のトラウマかも知れない。