後藤が社会人野球のトヨタ自動車へ 東北福祉大、三重・四日市商高出身

【東北福祉大の後藤凌寿投手(大学提供)】

東北福祉大(仙台市)硬式野球部4年の後藤凌寿投手=四日市商高出身=が、この春からトヨタ自動車(愛知県豊田市)でプレーする。最速152キロの直球と、精度の高い変化球の緩急をつけた投球が持ち味の身長183センチの大型右腕。3年目には大学日本代表候補にも名を連ねた。プロ入りも目指して、日本選手権6度、都市対抗2度の優勝を誇る社会人野球の名門チームでレベルアップする。

遊撃手を兼任していた四日市商時代、最速145キロを計測して注目された。仙台六大学野球連盟で昨年秋76度目のリーグ優勝を果たした東北福祉大で1年秋から登板機会をつかむと、3年秋のリーグ戦で3勝0敗、防御率0・00の好成績でリーグ最優秀投手賞を受賞。大学日本代表候補合宿にも招集された。

その一方で、けがにも悩まされた。故障の影響などで大学4年間、全国大会の「ベンチに入ることすらできなかった」。大学最後の1年間は肩や肘を痛めて「最後まで投げられなかった」。「全国のマウンドを経験したい」という気持ちは強く、「体づくりからしっかりして先輩方について行き、社会人1年目からフル回転で行きたい」と話す。

侍ジャパン候補に名を連ねた大学3年目からプロ入りへの思いを強くした。プロ志望届を提出して臨んだ昨年秋のプロ野球ドラフト会議は、順位縛りの影響もあって名前が呼ばれることはなかった。「半分は覚悟していた」指名漏れだが、代表合宿などで仲良くなった他大学の選手たちが指名を受けて喜ぶ姿を中継番組などで見て、うらやましさを感じたという。

自分が活躍する姿を見せることで、これまで関わった人たちへ恩返しをしたいという気持ちも。3学年で20人台の少人数だった四日市商野球部時代、練習環境を整えてくれた坂倉智之元監督を始め、周囲の人との関わりがあって今の自分がいる。「やはり一番注目されるのはプロ。そこに行って、活躍する姿をお世話になった人たちに見せたい」と意気込んでいる。