皇學館大4年で硬式野球部前主将の岡田一晟は、この春、名古屋市の硬式野球チーム、ジェイプロジェクトに進む。2009年の野球部創部から4年で都市対抗野球本戦出場を果たした企業チーム。俊足を武器に東邦(愛知)高校時代甲子園優勝メンバーに名を連ね、大学では打撃を磨き三重学生選抜に選ばれた外野手は「(都市対抗本戦会場の)東京ドームでヒットを打ちたい」と意気込む。
名古屋市内の中学時代に硬式野球を始め高校野球の名門・東邦へ。レギュラーの壁は高かったが、30年ぶり5度目の全国制覇を成し遂げた19年春のセンバツは三塁コーチを務めて裏方で支えた。
皇學館大では入学当初は代走、守備固めでの起用が多かったが、打撃の向上に伴い、3年秋の県リーグで待望の開幕スタメン入り。4年目はおもに7番、中堅で出場し、広い守備範囲に加えて、パンチのある打撃で下位打線の核として活躍した。
昨年秋のプロ野球ドラフト会議で西武から指名を受けた村田怜音を始め、高校時代、大舞台を経験していない部員が多い中、甲子園常連校で揉まれた経験を買われ、3年秋から野球部主将に。プレッシャーと戦いながら昨年秋の県リーグで10連覇を達成。三重学生選抜の主将も務めた。
その一方で全国大会出場の夢は果たせず「一番懸けていた」4年春の東海大会も3日間に及ぶ熱戦の末2位で全国切符を逃した。それでも「全国大会につながる大会に出て、少しですけどヒットを出せたり、守備で貢献できた」。「誰かに応援されながら試合をする」喜びを改めてかみしめた大学最後の1年だった。
「野球が好きで、野球を続けたいと努力していた。そういう仲間といたから成長できた」。4年間苦楽をともにした仲間への感謝を忘れず、たゆまぬ努力で大学初のNPB選手となる村田に対しては「自分も支えられた」。「これからも村田は村田でいてほしい」と願い「少ない可能性であってもやるからには自分も(NPBを)目指したい」と先を見据える。