【度会郡】三重県玉城町宮古のギャラリーボナール伊勢玉城館で、鳥羽市若杉町の画家で絵画講師の野村昭輝さん(81)の新春個展が開かれている。14日まで。
野村さんは小学生の時、先生に作品をほめられたことがきっかけで絵が好きになった。中学卒業後はバス整備士として働きながら本格的に油絵を始め、現在まで約3200点を描き続けてきたという。
「現場主義」をモットーに、鳥羽志摩や近隣地域に出かけて空気や風、匂いを感じながら現場で絵筆を握り、心に響いた風景をキャンバスに表現。作品制作に取り組む傍ら、絵画教室などの講師を務め、後進の指導にも力を入れている。
22回目となる同展には昨年描いた60点の中から、山里や漁港の風景、繊細に表現した静物画など38点を選んで展示した。
中でも目を引くのは、「80歳になった時に描くのが夢だった」という大きくて白いタイサンボクの花。昨年はその夢をかなえてタイサンボクが咲く風景や、つぼみから大輪の花を咲かせるまでの様子を描き、会場に並べた。
野村さんは「絵を通して出会った人とのご縁が私の宝。これまでの絵を振り返りながら気楽に描き続けていきたい」と話した。