【津】第42回全国中学生人権作文コンテスト三重県大会(津地方法務局と県人権擁護委員連合会主催、伊勢新聞社など後援)が九日、津市一身田大古曽の県人権センターであった。最優秀賞に選ばれた四日市市立笹川中2年の古市啓人さん(13)、桑名市立陵成中2年の若命杏奈さん(14)、明和町立明和中3年の宇田妃莉さん(14)ら11人を表彰した。
人権尊重の重要性に理解を深め豊かな人権感覚を身につけてもらおうと昭和56年から実施している。今回は県内の中学校142校から3万4504点の応募があった。
津地方法務局の澤田竜彦局長は「いずれも中学生らしい感性に富み純粋な感覚で人権問題をとらえたものばかり。この機会にさまざまな人権問題を自分の事ととして考え人権を尊重した行動を取るきっかけにして」とあいさつ。澤田局長らが最優秀賞の3人と優秀賞の8人に表彰状を手渡した。
最優秀賞3作品の朗読もあり、うち津地方法務局長賞の古市さんは自身が病気や障害のある兄弟姉妹を持つ「きょうだい児」と呼ばれる存在と知り、同じ境遇にある人の思いを調べることでこれまで閉じ込めていた感情に気づいた経験を紹介。
「(感情と)向き合うことは苦しかった」としつつ「きょうだい児として共感できる世界を見つけることができて心が軽くなった」と前向きにとらえ「今自分ができることは、ただ自分のために未来に希望を抱いて頑張ること」と述べた。