受託収賄罪などで県職員ら3人を起訴 津地検、三重県の贈収賄事件

三重県企業庁発注の水道設備工事入札で便宜を図る見返りに現金200万円を受け取る約束をしたとして、津地検は6日、受託収賄罪で県企業庁北勢水道事務所浄水部元副参事の小野弘春容疑者(60)=松阪市川井町=と、県伊勢農林水産事務所農地海岸保全管理課長の酒德和也容疑者(57)=伊勢市黒瀬町=を起訴した。贈賄罪で四日市市塩浜の土木工事会社「新陽工業」の元社長新井政智容疑者(46)=同市楠町=も起訴した。

起訴状などによると、小野、酒德両被告は令和3年7月26日、北勢水道事務所発注の桑名市の水道管制水弁取り換え工事の一般競争入札で、提出資料作成の助言や指導への謝礼として、新井被告から現金200万円を受け取る約束をしたとされる。新井被告は現金を渡す約束をしたとしている。地検は3人の認否を明らかにしていない。

捜査関係者によると、新井被告が電子メールなどで小野、酒德両被告に現金授受の約束を持ちかけた。小野、酒德両被告は主にメールを通じて新井被告に助言や指導を繰り返し、資料の完成度を高めたという。

入札は価格に技術力などの評価点を加味する総合評価方式で実施。小野、酒德両被告は今回の入札で業者の選定などには関与しない立場だったが、内部情報を漏らすなどの便宜を図ったとみられる。

一見勝之知事は「県民の県政に対する信頼を失墜させ、改めて深くおわび申し上げる。収賄は公務に携わる者として最も犯してはならないものの一つ。起訴事実を確認し、厳正に対処する」とコメントした。