2023年12月1日(金)

▼志摩市民病院の病院長が元事務長にパワーハラスメントを行ったとして懲戒処分を受けた問題で、病院長が「ただの事務長なんだから、あなたが決めるな」と言い放ったという。県立病院の体験を思い出した

▼同僚が心の病を発症して入院先を探していたので県病院事業庁長に相談したら空きベッドがあるいう。が、向かわせたら満室だと帰されてきた。問い合わせると、ベッドは自分が管理していて、庁長などに口を挟ませない。お断りだというあいさつ。庁長に報告したが、沈黙するだけだった

▼別の県立病院の話。“天皇”と呼ばれる病院長がいた。近所の脳性麻痺の子どもが治療に通ってきたが、怖がって行きたがらない。担当を変えてもらえないかと相談を受けて同病院の職員OBを通じて看護師長に打診したら、そんなことはとても言えないという返事だった。一医師の担当換えを事務局に相談したら、病院を変わってくれと言われたことも

▼患者ファーストの仕組みにはなっていないのだろう。民間の総合病院の看護師が「患者様」と呼んでいるのに驚いたことがあるが、県立病院が一般会計から相当額繰り入れているのに赤字続きなのも分かる気がした

▼志摩市民病院職員135人への調査で30人が不適切行為を受けていた。事務長は心を病んで退職し、病院長は一カ月の停職。「一部は業務の適正な範囲内での発言で、それ以外は全く問題がない」と話しているという

▼橋爪政吉市長は記者会見で陳謝し「職員の綱紀粛正や服務規律の確保を徹底し、信頼の回復に努める」。病院長の鼻息と温度差がある。