インフル5年ぶり「警戒レベル」 三重県知事、対策徹底呼びかけ

【定例記者会見で、インフルエンザの感染状況を示す一見知事=県庁で】

三重県内のインフルエンザ感染状況が約5年ぶりに「警報レベル」に達したことを受け、一見勝之知事は29日の定例記者会見で、手洗いや換気などの感染防止対策を徹底するよう県民に呼びかけた。

県によると、医療機関からの報告に基づく県内のインフルエンザ患者数は、20―26日までで1医療機関あたり33・82人。国立感染症研究所が目安とする警報レベル(30人)に達した。

県内でインフルエンザの感染状況が警報レベルに達するのは、平成31年1月以来。11月中に警報レベルに達するのは新型インフルエンザが流行した21年11月以来、14年ぶりとなる。

今シーズンは小学校と高校が1校ずつ、既にインフルエンザで休校。学年閉鎖の累計は197校、学級閉鎖は333校に上っている。昨年の同時期に学年閉鎖や学級閉鎖をした学校はなかった。

感染症対策課は、こまめな手洗い▽バランスの取れた食事と十分な睡眠▽咳エチケットや症状がある場合のマスク着用▽室内の換気や加湿―を対策に挙げ、ワクチン接種の検討も呼びかけている。

一見知事は会見で「例年よりも早く感染が拡大している」と強調。「感染防止対策を万全にしてもらいたい。特に高齢者や基礎疾患のある人と会う場合には注意してほしい」と呼びかけた。

例年より早く感染が広がった原因については「手洗いなどが減っていることもあると思うが、コロナ禍でインフルエンザの感染が出ていなかったことで免疫が落ちているのだと思う」と語った。