近畿自動車道紀勢線の整備促進を目指し、一見勝之三重県知事と熊野市の河上敢二市長、和歌山県の岸本周平知事が17日、東京・霞が関の国土交通省、財務省を訪れて要望活動をした。
同紀勢線は、松原JCT(大阪府松原市)から勢和多気JCT(三重県多気町)までの延長約335キロ。地方創生や国土強靱化(きょうじんか)、災害時の緊急輸送道路として、活用が期待されている。全体の約8割が開通し、和歌山県新宮市と三重県紀宝町を結ぶ「新宮紀宝道路」は令和6年秋ごろの開通予定が公表されている。
要望は、紀勢線の早期整備や暫定2車線区間の4車線化を求める内容。
一見知事らは国土交通省の吉岡幹夫技監、財務省の新川浩嗣主計局長と面会し、要望書を手渡した。
一見知事は「近畿自動車道紀勢線の早期全線開通をお願いしたい」と要望。岸本和歌山県知事は「南海トラフ地震のときには津波が十分で来る。国道42号は津波の時は八割が浸水する。この道路はまさに命の道だ」と発言。熊野市長は「ここ数年で東紀州地域の道路事業は大変良くなった」と報告した。
吉岡技監は「予算確保に取り組む」、新川主計局長も「要望の趣旨は十分理解した」と応じた。
要望に先立ち、三重、和歌山両県と沿線市町村で構成する「近畿自動車道紀勢線建設促進協議会」の促進大会が同日、都内であり、来賓を含め110人以上が参加。両県の悲願である紀伊半島一周高速道路の早期実現に向けた大会決議を満場一致で決議した。
会長の岸本和歌山県知事と副会長の一見知事があいさつしたほか、地元選出国会議員からの祝辞、地域の意見発表、新宮市長の決議文朗読で、紀勢線の「命の道」としての重要性を訴えた。