近畿日本ツーリスト津支店(津市)が三重県から受託した事業で過大請求をした問題で、稲森稔尚県議(草の根運動いが、3期、伊賀市選出)は8日、支店の社員を詐欺容疑で刑事告発する文書を津署に提出した。
問題をめぐっては、新型コロナの影響を受けた事業者に支援金を配る業務を県から受託した支店が、実際より多くの人員が業務をしたとする書類を県に提出。委託費のうち約1130万円を過大に請求した。
告発状は「契約の認識に差異があった」などとする支店の説明に「到底理解しがたい」と指摘。「契約内容に反すると知りながら過大請求をしたことが強く疑われ、詐欺罪にあたると思慮される」としている。
稲森議員は8日、津署を訪れて告発状の写しを提出した。稲森議員によると、同署の担当者は「明らかに詐欺罪ではないとは言い切れない」などと話し、告発を受理するかどうかを検討すると説明したという。
稲森議員は取材に対し、県が「業務上の損害や悪質性はない」として告訴しないことを受けて告発を決めたと説明。「過大請求分が返還されても詐欺の疑いが消えるわけではない。県の対応は甘い」と話した。