▼ラグビー部が全国大会県予選で12年連続14回目の優勝を果たした翌日に、県立朝明高校は、女性職員が学校諸費の滞納を督促するメッセージを無関係の第三者の留守電に残した。天国から地獄、と言っては語弊があるが、繰り返しの練習で攻守の精度をあげてきた生徒の結果に、少なからず水を差した
▼先月の中三日空けた二日間に計四回、納付を依頼する電話をかけ、留守電に保護者の氏名や滞納の状況などを詳しく吹き込んだ。折り返しの電話がなかったことなどから確認して、番号違いが分かった
▼「正しいと思い込んでいた」「早く納付してもらおうと、つい(留守電に)言ってしまった」というのが女性職員の釈明という。あまりに間が抜けているし、誰が聞くか分からぬ留守電に個人情報、それも学校諸費の滞納状況をしゃべった。「早く納付してもらおうと」では説明がつかない
▼県職員の事務処理ミス多発で、一見勝之知事が臨時庁議を開き、自覚が足りないと原因究明や再発防止策を指示したのは先月五日。翌六日は福永和伸県教育長が事務処理ミスで個人情報流出が続くとして再発防止策を話し合う「コンプライアンスミーティング」充実の考えを示した
▼朝明高のミスは、その結果が出たか、まだ出ぬかの27日と30日。再発防止策を講じてもミスが起きる理由について福永教育長は「解決したと思って放っておくと、すぐに忘れてしまう」。今回は、忘れる間もない
▼ハラスメントについては「敏感にならなければならない」と述べていたが、鈍感なのはハラスメントだけではない気がする。