有効求人倍率1.28倍 9月の三重、10カ月ぶり上昇

三重労働局は31日、9月の一般職業紹介状況を発表した。県内の有効求人倍率(季節調整値)は1・28倍で、前月から0・03ポイントの上昇。県内の有効求人倍率が上昇するのは10カ月ぶりとなる。

有効求人倍率の全国順位は前月と同じ27位。四カ月連続で全国平均を下回った。「改善の動きに一部で弱さが見られる。物価上昇などが雇用に与える影響に注意する必要がある」との判断は据え置いた。

同局によると、有効求人数は前月比1・0%(329人)増の3万1775人で、3カ月ぶりに増加。有効求職者数は1・0%(247人)減の2万4902人で、2カ月連続で減少した。

新規求人倍率は2・13倍で、前月から0・1ポイントの上昇。全18業種のうち12業種が前年同月比で新規求人を減らした。行楽シーズンに入り、ゴルフ場や観光施設などの新規求人が堅調に推移している。

一方、公共事業の減少を受け、建設業の新規求人は前年同月比18・4%(240人)減の1062人で4カ月連続の減少。製造業でもEV(電気自動車)への切り替えなどから求人を絞る動きがあるという。

金尾文敬局長は雇用情勢の先行きについて「有効求人倍率は多少の増減はあるが、引き続き1・2倍前後を維持すると思われる」としつつ、製造業を中心に原材料高の影響が続いていることへの懸念を示した。