中森博文三重県議会議長は27日の定例記者会見で、県が若者の県内定着を目的に是非を検討していた県立大の設置を「別の方策に注力するのが適当」として見送った判断に「妥当だと思う」との認識を示した。
中森議長は会見で「県立大の設置を検討する目的は若者の県内定着が主眼だったが、それは県立大を設置する以外の方法でも可能。別の方法を考えるのは共通の理解で、しっかりと考えたい」と述べた。
その上で、過去に視察した会津大(福島県)について紹介。「外国からも学生が来る特色ある大学だったが、就職後は全国に散らばっていく。若者が学ぶ機会は増えるが、定着とは別のことだった」と語った。
一方、県が県立大設置の検討に着手してから見送りの判断をするまでに約2年を要したことについて、中森議長は「重要な課題。有識者らに重く受け止めて丁寧に議論してもらった」などと理解を示した。
県立大設置の議論をめぐっては、鈴木英敬知事=当時=が令和2年9月に検討への着手を表明。県は設置によって得られる効果と運営などの費用を比較し、今月20日の県議会全員協議会で見送りを表明した。