ペタライトの確保に支援を 三重県知事、経産省に要望

【経産省で伊吹局長(中央)に要望書を手渡す一見知事(県提供)】

四日市萬古焼の土鍋などに原料として使われるペタライトの入手が困難になっていることを受け、一見勝之三重県知事は23日、ペタライトの安定的な確保に支援を求める要望書を、経済産業省に提出した。

要望書は「ペタライトは四日市萬古焼に不可欠な原料」とし、ジンバブエからの輸入再開を現地政府に働きかけるよう要請。ジンバブエ以外の産出国からの調達や代替原料の研究に対する支援も求めた。

この日、一見知事が経産省を訪れ、製造産業局の伊吹英明局長に要望書を手渡した。一見知事は「耐熱陶器の生産継続が危惧されている。事業者はペタライト確保への支援を強く求めている」と説明した。

伊吹局長は「できることは何でもする」と返答。ジンバブエ政府への働きかけやエネルギー・金属鉱物資源機構を通じた調達ルートの情報提供、代替原料の研究に向けた支援などに努める考えを示した。

県によると、ペタライトは土に混ぜると耐熱性が高まるため、萬古焼の生産者が昭和30年代ごろから土鍋などに使っているが、リチウムイオン電池にも使われていることから価格が高騰している。

さらに、ジンバブエの鉱山が中国企業に買収され、昨年2月から輸出が停止。萬古焼の生産者でつくる萬古陶磁器工業協同組合は18日、ペタライト確保の支援を求める要望書を県に提出していた。